2007年1月24日水曜日

ECHOLYN『As The World』(1995)

As the WorldAs the World
(2005/07/05)
Echolyn

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 アメリカのテクニカル・ロック・バンド「エコーリン」の、初のメジャーレーベル(Epic/Sony)からのリリースとなった4thアルバム。GENTLE GIANTからの影響を強く感じさせる、三度のメシよりまず変拍子なテクニカル・アンサンブルに、キャッチーなポップ・センスをまぶして仕上げた作品。プロデュースは、「ラスト・エンペラー」をはじめとした映画音楽サントラのミキシングを手がけていたエンジニア グレン・ローゼンステインと、バンドによる共同プロデュース。アンサンブルはちょっと気を抜いたスキにこれでもかこれでもかと変拍子をキメていくので、テクニカル系が好きな人にはカウパー噴出モノかと。そのまま行くと超ストイック路線な孤高の作風になってしまいますが、ネアカなヴォーカル&めくるめくコーラスワークで歌モノとしても十分なクオリティも持っているため、ストイックな印象はさほど感じません。逆に聴いててすごく爽やか。湿り気が殆どなくてカラッカラなあたりは凄くアメリカのバンドらしいものを感じます。

 エレピとピアノが躍動的な「Best Regards」や、コーラス&アンサンブルで隙間なく攻める「The Cheese Stand Alone」あたりはインパクト十分です。アルバムは単独の小曲6曲に加え、小曲10曲で構成される40分近い組曲「LETTERS」で構成されていますが、どのパートもたっぷりテクニカル&ハーモニー尽くしで歯応えバツグン。盛り上げるために様々な展開やあの手この手が尽くされていて楽曲単体の密度は濃く、じっくりと腰を据えて聴く気にさせてくれる求心力もあります。メジャーデビューに恥じない見事な作品を彼らは残したのですが、レーベル側はあまりにもお粗末なサポートしかしなかった上に簡単に切り捨ててしまい、バンドは96年に活動停止という憂き目にあってしまいます。しかし2000年に再結成を果たし、現在も順調に活動しているとのこと。また、『As The World』は現在は自主レーベルからリマスター&ボーナスDVD付きで再発リリースされております。