2010年1月4日月曜日

プログレッシヴなゲームミュージック集 Vol.3

2年ほど前にニコニコに投稿した動画「プログレッシヴなゲームミュージック集」の能書きを旧ブログに書き残していたのだけれども、改めて手を加えて書き直し(といってもあんまり変わってないけど)てみる。




●桜庭統
「ソルフィース」


ウルフチーム(トライエースの前身)制作のX68000のシューティングゲーム。グラナダ、ソルフィース、緋王伝と、ウルフチーム在籍時代の桜庭サウンドもまた聴き逃せないものばかり、クオリティは凄まじく高い上、中期~現在の作風に繋がるところもそこかしこで聴くことができます。


●植松伸夫
「FFIX:最後の闘い」「FFX:シーモアバトル」


IXは原点回帰がテーマの作品だったということもあってかVI以前の作風を匂わせるオルガンプログレ。この他「ハンターチャンス」「走れ!」もなかなか「らしい」曲です。Xのこの曲は下降フレーズや後半の7拍子の決まり方が絶品。


●久保田修「BEMANI IIDX 12:Mind The Gap」
●藤森崇多「BEMANI IIDX 12:100% minimoo-G」


どちらもBEMANI IIDX 12提供曲。久保田氏は他分野で活動されているコンポーザー/ピアニスト。ピアニストとあってかピアノインストをBEMANIシリーズに多数提供されているのですが、この曲はギターが前に出ており、彼の音ゲー提供曲の中でもプログレ度数の高い1曲。あと、この曲のクリップのチープさは笑えます。藤森氏はコナミデジタルエンタテインメントのコンポーザーの1人。名門バークリー音楽院の卒業生にしてシンセオタクでもある彼のこの曲はEL&Pのタルカスをモチーフに、全パートをモーグシンセサウンドで構築した徹頭徹尾シンセプログレナンバー(「サンプラーやソフトシンセ、ソフトクリームなどは一切使用しておりません。」だそうです)。タイトルに偽りなし。めくるめく変拍子の渦に加え、左右チャンネルから襲いかかるワニャワニャとしたフレーズが聴き手の脳味噌をサラダ外科手術。


●松枝賀子/植松伸夫
「クロノトリガー:ボスバトル1」


作曲:松枝嬢、編曲:植松氏。上モノのブラス、オルガンが展開を引っ張り高揚させるプログレな仕上がり。流石御両人。


●光田康典
「クロノトリガー:ラストバトル」


「世界変革の時」の方が人気が高いですが、左右に振られた音がぐるぐると耳を駆け抜けてゆくこちらも名曲。


●大川晃史/下野秀幸「ZERO DIVIDE:Fate」
●大川晃史「ZERO DIVIDE 2:Chaos」


ZOOM制作の3D格闘ゲーム。バーチャファイターの二番煎じだとか言われていたそうですが、しっかりした作りでそこそこ定評はあったそうな。どちらのサントラの内容もプログレ~HR/HM~フュージョン~テクノと多彩な内容ですが、プログレ度では2より1の方が圧倒的に高め。


●Project SATAN(増子司/西脇辰弥)
「真・女神転生:彷徨(敵出現~アーケード街~渋谷~銀座~Terminalアレンジメドレー)」


『真・女神転生 LAW & CHAOS DISC』のアレンジDISC:CHAOSより。アレンジ&キーボードに西脇辰弥氏、ドラムに"手数王"菅沼孝三氏、ベースにDIMENSIONなどのサポートメンバーであった故.青木智仁氏が参加しております。ムラのあるアレンジアルバムではありますが、この曲と「止揚(大使館、Boss、戦闘、Epilogue、Neutral、Endingのアレンジメドレー)」の2曲におけるアラン・ホールズワースばりのゴリゴリなジャズロック展開は非常にアツい。


●ZUNTATA/菅沼孝三
「ウォリアーブレード:Rising(アレンジ)」


ギャラクティックストーム、ウォリアーブレードのオリジナル&アレンジサントラ『Nouvelle Vague』より。原曲は疾走感に溢れたストレートな楽曲なんですが、アレンジヴァージョンはとにかくバタバタ。リズム隊が終始うねり、んでもってアラン・ホールズワースみたいなギターが切れ込む。フュージョンというよりこれはもうジャズ・ロック。演奏には菅沼孝三(Dr)と永井敏巳(Ba)の二人が参加していたようです。


●ZUNTATA「Gダライアス:B.T.DUTCH」

小倉久佳氏は精神性がプログレッシヴ。


●松尾早人/崎元仁/岩田匡治
「伝説のオウガバトル:Constellatus(アレンジ)」


『伝説のオウガバトル イメージアルバム』より、ヴォーカル入りアレンジ。伝説のオウガバトルのアレンジアルバム『The Entrance』は、リック・ウェイクマンやキース・エマーソンからの影響がこれでもかと伺えるスケールのデカいプログレアルバムとなっております。MR.SIRIUSの大木理沙嬢がヴォーカルで参加した楽曲や、22分に及ぶ組曲もあったりと聴き応え十分です。ちなみに松尾氏のWikipediaを見てみると、小学生時代にEL&Pのタルカスを3ヶ月かけてコピーしたという逸話があるそうで。