2013年12月1日日曜日

Richard Harvey(GRYPHON)『Terrahawks(地球防衛軍テラホークス)』(1983)

古楽からの影響を色濃く反映させた音楽性で知られるイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド GRYPHON。そのフロントマンでありマルチ演奏者/コンポーザーであるRichard Harvey/リチャード・ハーヴェイ氏は、70年代後半から数々のライブラリー音楽(TV、CMなどの業務用音楽、音楽素材)や映画音楽を手がけられております。ライブラリー・ミュージックはその性質上 一般に出回るケースはあまりないのですが、今ではYouTubeを漁れば、その頃の音源の数々を聴くことが出来ます。ハーヴェイ氏が手がけられたライブラリー音楽作品は、流石のクオリティのものが多く、掘り下げる価値は十分あると思います。

今回ご紹介するのは、サンダーバード・シリーズの製作でも知られるジェリー・アンダーソンによる83年のイギリスの特撮人形劇TVシリーズ「地球防衛軍テラホークス」の劇伴。これをハーヴェイ氏が担当されているのです(同年に2曲入りのLPシングル/カセットシングルもリリースされました)。予算の関係上、全てシンセサイザーによる演奏で制作されたそうで、テーマ曲はまさにシンセサイザー・シンフォニーといった印象。どこかB級プログレ感もある仕上がりになっています。



こちらはロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラを起用した、メインテーマのド派手なヴァージョン。


こちらは12インチLPシングルのB面に収録されているテーマ曲のヴァリエーション。採用されたテーマと比べるとかなりとっ散らかった印象なのは否めませんが、ハーヴェイ氏の制作過程の一端が伺える興味深いものだと思います。


エンドクレジット。メインテーマの短縮・変奏です。


余談ですが、テラホークスの日本版オープニング・テーマは、燕奈緒美/真由美姉妹が歌う「ギャラクティカ・スリリング」という曲。スペクトラムの新田一郎氏が作曲を担当しております。ホーンアレンジに流石のカッコ良さを感じるテクノ歌謡な1曲であります。

■リチャード・ハーヴェイ/Richard Harvey - 素晴らしき映画音楽作曲家たち
非常に詳細なデータが掲載されております。

●Richard Harvey - Wikipedia
●GRYPHON(band) - Wikipedia
●地球防衛軍テラホークス