2014年4月6日日曜日

DEVOのフロントマンによる 「全てはサイコー」なスコア - Mark Mothersbaugh『The Lego® Movie Soundtrack』(2014)

Lego MovieLego Movie
(2014/03/18)
Mark Mothersbaugh

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Phil LordChris Miller監督による、2014年公開のストップモーション風CGアニメーション映画「LEGOムービー」を観に行きました。いやはや良い映画でした。キッズ向けかと思いきや、さにあらず。ネタバレになるので詳しくは伏せますが、LEGOブロックという玩具の根源的な魅力も滲ませつつ、なるほどそういう展開とオチに持ってくのか!と。そういうところも含めて良いエンターテインメントとして仕上がっていて、なるほど劇中歌よろしく「Everything Is Awesome(全てはサイコー)」な作品でした。既に続編の制作もアナウンスされている本作の劇伴を手がけたのは、テクノ・ポップ/ニューウェイヴ・パンク・バンド DEVOのフロントマンでもあるMark Mothersbaugh(マーク・マザーズボウ)。氏は80年代からDEVOの活動と並行してTVドラマや映画などのサウンドトラックの仕事を手がけており、'89年には音楽制作会社「Mutato Muzika」を設立するなど、現在に至るまで膨大な作品に楽曲を提供し続けております。ちなみに、日本でも一世を風靡したゲーム「クラッシュ・バンディクー」シリーズのBGMも彼が手がけております(シリーズの1~3作目、「レーシング」「カーニバル」を担当)。同作のカントリー・ミュージック的なポップな躍動感は、このLEGOムービーのスコアでも少し伺えたりします。



基本的にはオーケストレーションとコーラスを基調にした壮大でセンチメンタルな演出に長けたスコアでありますが、エレクトロテイストも随所でギラギラさせており、そのユニークな味わいに往年の諧謔ぶりを少なからず見出せます。"Cloud Cuckooland And Ben The Spaceman"という、ちょっとDEVOの影もチラつくニューウェイヴ・パンク調のスコアにニヤリとさせられたりも。メインフレーズが他の曲でも幾度となく登場することもあり、本作を象徴するといっても過言ではない"Emmett's Morning"や、壮大なオーケストレーションとエレクトロミュージックが交錯する"Saloons And Wagons" "I Am A Master Builder"も秀逸ですし、"Escape" "Wildstyle Leads"のような昨今の潮流を繁栄したダブステップ調のスコアもあります。DEVOのマザーズボウ氏がダブステップをやっていると考えると何とも隔世の感がありますが、字面的に妙な面白さもあるなあと。



その他、カナダのインディーロックデュオであるTegan&Saraが歌い、アメリカのコメディトリオ The Lonely Islandをフィーチャーした主題歌"Everything Is Awesome!!!"は、インストヴァージョンの他、「Jo Li」(カナダのソングライターJoshua Bartholomewと、元The Smashing Pumpkinsのキーボーディスト Lisa Harritonのデュオ)が歌うヴァージョン、同曲の作曲者であるShawn Patterson自らがヴォーカルをとったアンプラグド・ヴァージョンといった、エンドクレジットで流れる各種テイクも全て収録されております。バットマン役のWill Arnettが歌うデジロックチューン"Untitled Self Portrait"も勿論収録。



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