2015年10月9日金曜日

青春チャリンコゴアアクション映画「ターボキッド」のサウンドトラックを手がけたカナダのシンセウェイヴユニット「Le Matos」


流血シーンありゆえ、視聴注意

 カナダ/ニュージーランド共同制作による80年代リスペクテッドなボンクラ青春チャリンコゴアアクションムービー「ターボキッド」(監督:ROADKILL SUPERSTARS)を先日観てきました。いやー面白かった。文明が荒廃し、移動手段はチャリンコのみという“1997年”の未来を舞台に、ドバドバ飛び散る血しぶき! 吹き飛ぶ手足(あと首)! 人間ミンチ! 笑撃のゴアシーン満載の青春ボーイミーツガールビルドゥングスロマンがこの作品です。貴重な水を×××から精製するくだりとか、内臓と自転車を繋いでガーッてやるシーンとか、とにかく死にまくりであり、死ぬほど笑わせてもらいました。頭のネジが飛んでてかわいいヒロイン、やはり万能性を発揮するダクトテープ、ほぼ全編80年代テイストなシンセサイザー・ミュージック(シンセウェイヴ)な劇伴なのも高ポイント。「ターボキッド」のDVD/Blu-rayは2016年1月13日リリースだそうなので、要チェックやで。


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 そんな「ターボキッド」のスコアを手がけたのは、Jean-Philippe BernierJean-Nicolas Leupiの二人を中心とするカナダ・モントリオールのエレクトロ・ユニット Le Matos。「ターボキッド」のプロトタイプとなった、同じくROADKILL SUPERSTARS制作による2011年発表のショートムービー「T Is for Turbo」のBGMも彼らであります。ちなみにJean-Philippe Bernierは同作の撮影スタッフも兼任しており、IMDbによると、「300」「デス・レース」「X-MEN:フューチャー&パスト」などのタイトルにも撮影で関わっていたようです。Le Matosの音楽的影響はやはり80年代サウンドトラックにあり、コンポーザーではヴァンゲリス、ジョン・カーペンター、シュキ・レヴィ、TANGERINE DREAM、GOBLINの名前が挙げられています。太めのシンセトラックとダンサブルなリズム、そして哀愁のメロディによる煌びやかなインストゥルメンタルが魅力です。





 2011年に、ブレードランナーのエンドタイトルのカヴァーや、リミックスを含む楽曲集『Coming Soon』や、三曲入りEP『58 minutes pour vivre』(タイトルは「ダイ・ハード2」のフランス語版と同名)をリリース。ちなみにこのEPに収録されている、タイトル曲のアレンジ版である"Rise of Turbo Kid"は、「ターボキッド」のサントラに使用されます。





 2013年には待望の1stアルバム『Join Us』をリリース。ほかには、大友克洋「AKIRA」の、海外ファン有志による実写化企画「The Akira Project」に、エンディングテーマ"Kiyoko"を提供しています。いずれも、ユニットの公式bandcampアカウントで聴くことができます。そして先ごろ、「ターボキッド」のメインテーマにヴォーカルをのせた“No Tomorrow”がサウンドトラックからの先行シングルとして$2より配信リリースされています。作詞とヴォーカルは、ロンドンを拠点に活動するシンセポップユニット PAWWSルーシー・テイラーによるもの。





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RSS(※ROADKILL SUPERSTARS)「――シンセサイザーがメインとなる音楽を使うのは『ターボキッド』の世界観からして、自然な流れでした。Le Matosは最高の仕事をしてくれましたし、我々は彼らを心底信頼しているので、すべて任せて、ほとんど何も注文は出していません。それでも完璧でした。「彼らも私たちと同じ80年代キッズで、同じものから影響を受けて育ってきています。もちろん、私たちもジョルジオ・モロダーやジョン・カーペンター、タンジェリン・ドリームの大ファンです。そして、彼らの音楽も『ターボキッド』に影響を与えています。」


Le Matos - Official Site
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Turbo Kid - IMDb