2016年3月22日火曜日

軽やかな技量とセンス、変幻自在のツインキーボードプログレユニット ― NEO-ZONK『Luminous』(2015)

Luminous
Luminous
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Neo-Zonk
Neo-Zonk (2015-12-01)
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 大沼あい長﨑祥子の二人のキーボーディストを中心とするプログレッシヴ・インストゥルメンタル・ユニット NEO-ZONKのデビューアルバム。前身となったのは、2008年に大阪で結成されたZONK-MONK。現在と同様にツイン・キーボード&ドラムスのスタイルでライヴ活動を展開していましたが、各メンバーのスケジュールの調整の難しさから2014年6月に活動を休止。その後、大沼、長﨑の両氏が拠点を東京に移し再始動。吉祥寺シルバーエレファントなどを拠点にコンスタントなライヴ活動を続けながら、2015年の暮れに7曲を収録した本作『Luminous』がリリースされました。ドラムスには鎌田紘輔氏(溺れたエビの検死報告書、ストロベリーソングオーケストラ、ex CROSS VEIN etc)を迎えたトリオ編成でのレコーディングで、大沼さんが4曲、長﨑さんが3曲の作曲を担当しています。流麗なピアノ・インストから、変拍子バリバリのキーボード・プログレ、鋭い立ち回りのテクニカル・ジャズ・ロック/フュージョンはもちろんのこと、シンフォニックなアレンジも存分に効いており、プレイヤーとしての技量とコンポーザー/アレンジャーとしてのセンスを両面から追求するような作風です。また、ZONK-MONKが2011年にリリースした3曲入りEPの収録曲がすべて再録されてもいます。"U.T. - a hole in danger -"はオルガンが小気味よく転がるミドルテンポチューンかと思いきや、オーケストラアレンジのカットインで一転して激しい展開へとなだれこむ、意表を突いた仕上がり。"Into the Green World"は9分半にわたりじっくりと聴かせるオルガン/ピアノ ジャズ・ロック。 "Disorder - Out of the cosmos -"はもともとギタリストをゲストに迎えてのネオクラシカル調のプログレッシヴ・メタルでしたが、キメの多い展開はそのままに、キーボードとドラムの白熱のバトルが繰り広げられるスリリングな一曲。ギタリストのみならず、近時のライヴではヴァイオリニストを迎えた編成になることもあり、カラフルな音像が今後どのように発展していくのか、関心が注がれます。





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