2016年4月16日土曜日

失われし時を捜し求めるアクションRPGの、美しきアンビエント・サウンド ― Disasterpeace『Hyper Light Drifter』(2016)




 Heart Machine開発による「Hyper Light Drifter」は、失われた技術を求めるドリフター(放浪者)の主人公となり、鮮やかなドットで描かれた荒廃世界を旅する2DアクションRPG。2013年にkickstarterでキャンペーンが立ち上げられ、最終的に設定金額の27,000ドルを大幅に上回る640,000ドルという圧倒的支持を獲得。2014年中旬のリリースを目指して制作が進められておりましたが、諸々の事情で大幅に遅れ、さる2016年3月31日にようやくPC版が正式リリースされました。今夏にはPS4、Xbox One版のリリースも予定しているとのこと。「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」や「ディアブロ」、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」からのインスピレーションをモダンなセンスのもとに昇華させた同作は、その世界観もさることながら、作中のセリフはすべて絵で表現されるなど、ヴィジュアルに強く訴える仕上がりです。




 $5よりダウンロード販売されている本作のサウンドトラックは全28曲。多くを語らぬゲーム内容によりそった、イマジネーションを喚起させる、じんわりとリバーヴも効いたミニマル/アンビエントミュージックです。コンポーザーは、ニューヨーク出身の Disasterpeaceことリック・ヴリーランド(Rick Vreeland)。17歳のころより作曲活動をはじめ、「ボンバーマンライヴ:Battlefest」(2007)や、「High Strangeness」(2009)、「FEZ」(2012)など、ゲームのサウンドトラックを中心に、これまでに40枚以上のアルバムをリリース。音楽的には〈クロノ〉シリーズの光田康典氏や〈Samorost〉シリーズのFloex(Tomas Dvorak)からの影響を公言しているほか、90'sリスペクトなパズルアドベンチャー「Monsters Ate My Birthday Cake」(2014)のサントラは、スーパーマリオシリーズのコンポーザー 近藤浩治氏へ捧げられてもいます。また、2007年から2013年にかけて活動したチップチューンレーベル「II(PAUSE)」の共同創設者でもあり、自身のオリジナルや数々のコンポーザーのアルバムを世に送りだしました。2014年には、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督・脚本によるホラー映画「イット・フォローズ」にサウンドトラックを提供するなど、その知名度と活動領域も年々広がりをみせる、要・注目のクリエイターです。


http://www.disasterpeace.com/


 ▽インディーズゲームの小部屋:Room#426「Hyper Light Drifter」
(4gamer.net|2016.04.13)

Fine Tuning Interview: Rich Vreeland (Disasterpeace)
(from esperino|2012.07.05)

米国のチップチューン・プログレ・バンドによる、アクションADVゲームのサントラ ― Cheap Dinosaurs『High Strangeness』(2015)