2016年7月27日水曜日

二年間でアルバム七枚。カナダのストレンジ・ポップ職人の快(怪)進撃は続く ― Terriblething『Chucharrón』(2016)

 昨年からミュージックインストラクションビデオなどをYouTubeにアップし始め、ピーター・ヘンリックという名前も判明。フランク・ザッパやBEATLES、QUEEN、TALKING HEADS、Mr.Bungle、PRIMUSなどからの音楽的影響も公言し、「謎のおじさん」から「愉快な面白おじさん」にイメージチェンジ。たゆまぬリリースでミクスチャーな音楽性にもますます磨きのかかるカナダの奇才ミュージシャン Terriblething。氏については以前も取り上げていますので、まずはこちらをご参照をば。「へえ、何から聴いたらいいの?」という人には、まず"Yuko San"をオススメいたします。




素性不明、方向性不明、中毒性高し。謎が謎と謎を呼ぶプログレ・アーティスト Terrible Thing

奇才カナダ人、バンクーバーで炸裂~二作目の奇作をリリース ― Terrible Thing『Journey to the Centre of Zorn』(2014)


『Journey to the Centre of Zorn』発表後、彼の活動はますます活発化しています。まず2014年12月19日に三作目『The Depths of Krang』をリリース。十人近いメンバーの名前がクレジットされており、バンド体制か!?……と思わせつつ、やっぱり一人でつくっています。それから四ヵ月後の2015年3月27日に四作目『Antighost』をリリース。一方で、この頃からYouTubeにも顔出しするようになりました。再び四ヵ月後の2015年7月30日に五作目『Loquarion Modesto』をリリース。まずはアルバム三曲目"Friendly Sushi"を聴いてスシと和解せよ。それからしばらく期間が空き、約十ヵ月後の2016年5月17日にリリースされた六作目『Suck It Reagan』では、突如としてパンク/ハードロック化。それでは聴いてくれ、「I'm Scared My Dick Will Fall Out of my Pants (パンツからちんこがこぼれるのが怖い)」。間髪を入れず、約一ヵ月半の2016年6月29日に七作目『Too Many Planets』をリリースし、自己最速記録を更新……と思いきや、それからわずか十八日後、7月16日に八作目『Chucharrón』をリリース。あっという間に記録を大幅に塗り替えました。アルバムとしてもこれまでの集大成のような仕上がりになっており、英米ロック/ポップスからの影響を独自のユーモア精神とともに昇華したストレンジポップスメイカーの矜持を感じさせてくれる快作だと断言したい。今回もダウンロードはname your price(投げ銭)。さっそくダウンロードしてお友達にも聴かせまくろう。




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