2018年5月20日日曜日

vaporwaveを装うチリのDIYジャズ・ロック/フュージョン系マルチプレイヤー Varra



 ある日、bandcampで「progressive rock」タグで検索すると、vaporwaveめいた装いのチープなアルバムジャケットが出現。軽い悪ふざけかと思いきや、聴いてみるとこれが実にイイ感じのジャズ・ロック/フュージョンで見事にしてやられてしまった。制作者はチリ出身のVarraというマルチプレイヤー。彼がYouTubeで活動を開始したのは2015年5月。一番最初に投稿した楽曲が、ストリートファイターIIのサガットのテーマのカヴァーというあたりも印象的なものがある。その後、数曲のフュージョンデモ曲を皮切りに、瞬間芸、「Dat Boi」(2016年ごろに流行ったインターネットミーム。一輪車に乗ったカエル)やvaporwaveをネタにした小品、Smash Mouth「All Star」のジャズ・ロックアレンジ、ゼルダの伝説 神々のトライフォーストワイライトプリンセスの楽曲のプログレアレンジなどを好き放題に投稿している。オリジナル曲はコンパクトな習作と見せかけてメロディが光る瞬間がそこかしこにあり、CGアニメーションと独自のセンスを駆使した珍妙なMV(楽器がレースをしていたり、骸骨がドラムを叩いていたり、変なオッサンが踊っていたり、アライグマの雑コラがギターソロを弾いたりetcetc)といい、隠しきれない才能がジットリにじみ出ている。楽曲はこれまでに2枚のコンピレーションアルバム『Varra』『Varra II』にまとめられているほか、今年5月には4曲入りのEP『ROCC music (音乐摇滚) 』を投げ銭でリリースしている。生暖かく追いかけたい。patreonのアカウントもあり、サポーターを常時受けつけている。








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